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研究成果

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研究成果

研究成果
糖–脂質の“つなぎ目”が免疫を左右する
–内在性糖脂質の連結部をわずかに変えた“擬糖脂質”開発によって、免疫応答の違いを発見–
薬物分子設計学分野 Journal of the American Chemical Society
2026.01.22

アクセス数:669

 天然に存在する糖鎖・複合糖質は酸素原子(O-グリコシド結合)で連結されています。これを炭素原子(C-グリコシド結合)に変えた炭素連結型アナログは、天然型糖鎖・複合糖質の構造を模倣しつつ、糖加水分解酵素により分解されない生物機能分子として期待されています。C-グリコシド結合の構築法はいくつか報告されていますが、生物活性に大きく影響するグリコシド結合の立体化学(α/β)を制御し、生物活性分子創製に利用できる合成法は極めて限定的でした。

 九州大学大学院薬学研究院の平井剛教授、寄立麻琴講師らの研究グループと、大阪大学微生物病研究所の山崎晶教授、石川絵里助教らの研究グループは、β-C-グルコシド結合のみを構築できる新手法を、光酸化還元反応とニッケル触媒による還元的カップリング反応を利用して開発し、様々な炭素連結型アナログの中間体(フルオロビニル-C-グリコシド中間体)の合成を実現しました。これを起点として、CH型、(R)-CHF型、(S)-CHF型の3種類の炭素連結様式をもつ擬β-グルコシルセラミド(β-GlcCer)および擬β-グルコシルコレステロール(β-GlcChol)の分岐合成に成功しました。さらに、炭素連結型擬β-GlcCerが、内在性の天然型β-GlcCerO-グリコシド型)と比較して高い免疫活性を示すこと、さらに連結様式によって樹状細胞の成熟度が変化することを明らかにしました。これらの成果は、内在性糖脂質の機能解析研究や、免疫治療薬開発への応用が期待されます。

 本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際誌 Journal of the American Chemical Society のオンライン版にて、2026110日付けで掲載されました。

掲載誌:Journal of American Chemical Society

タイトル:Linkage-Editing of β‑Glucosylceramide and β‑Glucosylcholesterol: Development of β‑Selective C‑Glucosylation and Potent Mincle Ligands

著者名:Suzuka Chiba, Wakana Kusuhara, Eri Ishikawa, Makoto Yoritate,* Taishi Miura, Kazushi Maeda, 5 Haruto Takamura, Hiroaki Matoba, Sho Yamasaki, and Go Hirai*

D O I10.1021/jacs.5c17740


【お問合せ先】

九州大学大学院薬学研究院 教授 平井 剛(ヒライ ゴウ)

TEL092-642-6603 FAX092-642-6603

Mailgohirai@phar.kyushu-u.ac.jp