薬学部の沿革
薬学は物質の科学と生体の科学との融合深化を図るとともに、健康の維持・増進のため疾病の予防・治癒に向けた医薬の創製とその適正使用及び環境に関わる科学を体系的に探究し、その成果を具体的な科学技術や技能として社会へ還元することによって人類の医療・福祉に貢献する学問分野である。
21世紀の人々の健やかな生活のためには、難病と新興疾患に対する画期的な治療薬の創出がこれまで以上に望まれている。それには、創薬に関わる科学、医薬品の科学および健康科学についての確固たる専門的能力に立脚した総合力に加え、問題解決能力を持った研究者の育成が必要不可欠である。
一方、近年の医療の高度化、複雑化、高齢社会の到来、医薬分業の急速な進展等の状況の中、薬剤師には、医薬品の適正使用を推進するため、服薬指導・薬歴管理・リスクマネジメント・安全な薬物療法の提供・医薬品情報の伝達や治験の推進等の業務など、これまで以上に医療の担い手としての役割を果たすことが強く求められている。調剤薬局においても一層のサービス向上の推進や、病院においては医療チームの一員として、薬剤師の積極的な役割が増大している。このことから、基礎的な知識・技術はもとより、高い倫理観、医療人としての教養、医療現場に通用する実践力など、薬剤師の資質の一層の向上を図る必要がある。
このように新しい時代が必要とする薬学を担う人材を養成するため、平成18年度より薬学部は創薬科学科と臨床薬学科の二学科制となった。