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研究成果

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研究成果

研究成果
複製開始には”遊び”が必要
多様なDNA配列から正確にDNA複製を開始するしくみの解明
分子生物薬学分野 PNAS
2026.09.17NEW

アクセス数:32

DNA複製はすべての生物に必須の生命現象です。しかし、その開始点となるDNA配列は細菌の種類によって大きく異なります。それにもかかわらず、細菌は正確にDNA複製を開始し、自身のゲノムを次世代へ受け継いでいます。なぜDNA配列が変化しても複製開始という重要な機能が維持されるのかは、これまでよくわかっていませんでした。


九州大学大学院薬学研究院・分子生物薬学分野の尾崎省吾准教授、片山勉教授、大学院薬学府の清原菜々杜大学院生らの研究グループは、DNA複製開始タンパク質DnaAが、この問題を解く鍵となることを明らかにしました。細菌では、DnaAタンパク質が複製開始点に集まって開始複合体を形成し、DNAの一部がほどけて生じた1本鎖DNAに結合することでDNA複製が始まります。研究グループは、この1本鎖DNA結合のメカニズムを詳しく解析し、DnaAがDNA配列の違いや配置の変化を一定程度許容できる“遊び”、すなわち自由度を持つことを見出しました。DnaAは、離れた場所にある1本鎖DNAを開始複合体へと引き寄せながら結合できるだけでなく、多様な配列にも柔軟に対応できます。このようなDnaAによる柔軟なDNA認識機構によって、複製開始システムは進化に伴うDNA配列の変化を許容し、多様なDNA複製開始点から正確にDNA複製を開始できると考えられます。


この発見は、生命が進化の過程でゲノム配列を変化させながらもDNA複製という基本機能を維持してきたしくみを理解する上で重要な手がかりとなります。また、DnaAは細菌の増殖に必須のタンパク質であることから、その働きを標的とした新たな抗菌薬開発への応用も期待されます。

論文情報

掲載誌:PNAS
タイトル:Origin flexibility governs robust ssDNA engagement by the DnaA initiator

著者名:Nanato Kiyohara, Yasutaka Wakasugi, Kohei Ihara, Ayaka Kubaru, Sena Maruki, Naho Kojima, Sachiko Yoshitomi, Tsutomu Katayama, Shogo Ozaki.

DOI:10.1073/pnas.2615469123

2026年9月15日公表