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酸素雰囲下における脱水素型反応による非天然α-アミノ酸の新たな合成法を開発
環境調和創薬化学分野 Organic Letters
2020.05.13

アクセス数:5150

 非天然α-アミノ酸であるα,α-二置換α-アミノ酸は多くの天然化合物、医薬品、生物活性物質、有機触媒等に見られる構造です。これらの合成法の確立は、医薬化学および合成化学において重要な課題の一つであり、古くより盛んに研究が行われてきました。この非天然α-アミノ酸の化学合成法の1つとして、活性なアミノ酸由来のアズラクトンを求核剤として用いた反応が広く用いられています。しかしこれまでの合成法では、カップリングパートナーが求電子剤に限定され、過酸化物や高温といった過酷な条件が必要であるなど改善の余地が残されていました。
 このような背景のもと、九州大学大学院薬学府修士課程2年の辻汰朗大学院生、田中尊書大学院生(研究当時)、矢崎亮助教および大嶋孝志教授らの研究グループは、酸化剤として豊富に存在し、環境調和性に優れた酸素の利用を企図し、温和な条件における非天然α,α-二置換α-アミノ酸の合成法の開発に成功しました。本研究では詳細な反応機構解析により、アズラクトンのダイマー化、そして不均等開裂を経ることで、一般的に求核剤として用いられるアズラクトンを求電子剤として用いることが可能であることを明らかにしました。今回の合成手法を用いることで、様々な種類の非天然α-アミノ酸合成が可能で、さらにα-アミノ酸以外の様々なカルボニル化合物への応用も可能でした。本成果により、今後様々な非天然α-アミノ酸の機能評価や、中分子ペプチド医薬品などの様々な機能性分子創製への応用が期待されます。
以上の研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際科学誌「Organic Letters」に2020年5月12日(火)(アメリカ時間)にオンライン版(DOI:10.1021/acs.orglett.0c01248)に掲載されました。



<論文名>
Catalytic Aerobic Cross-Dehydrogenative Coupling of Azlactones en Route toα,α-Disubstituted α-Amino Acids

<著者>
Taro Tsuji, Takafumi Tanaka, Tsukushi Tanaka, Ryo Yazaki, Takashi Ohshima

<発表誌>
Organic Letters
DOI: 10.1021/acs.orglett.0c01248
URL: https://dx.doi.org/10.1021/acs.orglett.0c01248 


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