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心臓におけるプロキネティシンとその受容体の機能解析
講演者:浦山恭次 博士 所属:ウラヤマキョウジ開催日:2010-05-11 17:00
終了日:2010-05-11 19:00
タイトル:心臓におけるプロキネティシンとその受容体の機能解析
Role of prokineticins and their receptors in cardiovascular system
発表者:浦山 恭次
所属:IREBS, CNRS, Université de Strasbourg
住所:IREBS, FRE3211/CNRS, Université de Strasbourg, Bld Sébastien Brant BP10413, ILLKIRCH, France
要約
心臓病は最も高い死亡率で、世界中で急速に最も関心の高い健康問題になりつつある。循環器系の制御に関わる新規因子の同定と心疾患を伴う動物モデルの作成は、心不全を含む心臓病の病因のさらなる解明と新規治療法の開発にとってとても重要である。
近年、新規分泌性で8kDaの比較的小さなペプタイドがヘビ毒および蛙の皮膚から同定され、それらは小腸の収縮を促す特徴からプロキネティシンと名づけられた。プロキネティシンにはプロキネティシン1と2の2種類が存在し、それらは強力な血管新生因子で2種類の非常に相同性の高いG蛋白質共役型受容体(PKR1とPKR2)を介して生理応答を引き起こすことが今までに同定されている。
現在までに、プロキネティシンは中枢神経において体内時計の調節、神経細胞の生存、痛覚過敏や嗅覚の発達に関与し、また末梢組織においては血管新生、造血作用、小腸の収縮などに関与していることがわかっている。しかしながら、心臓におけるプロキネティシンの機能については今まで未解明であった。
私達のグル-プは世界で一番初めに心臓におけるプロキネティシンおよびその受容体の役割を解明し報告してきた。
本セミナ-では、プロキネティシン受容体の心臓における機能解析をトランスジェンックマウスとノックアウトマウスを含む遺伝子改変マウスや細胞培養を用い分子生物学的手法にて解析し得られた結果を紹介する。
世話人:黒瀬等(薬効安全性学分野:http://chudoku.phar.kyushu-u.ac.jp)
開催場所:薬学部第4講堂