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臓器をどんどん硬くし、病気を悪化させるタンパク質を発見!
〜様々な臓器の線維化疾患の治療薬開発に道〜
疾患制御学分野 Nature Communications
2023.02.10

アクセス数:2267

臓器をどんどん硬くし、病気を悪化させるタンパク質を発見!

〜様々な臓器の線維化疾患の治療薬開発に道〜

 

コラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質は、様々な臓器に適量存在し、臓器に弾力を与えます。ところが様々な病気の際には、コラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質が臓器に過剰に産生されてしまいます。この様な状態は臓器の「線維化」と呼ばれ、臓器を硬くし、それらの病気をさらに悪化させます。線維化は、コロナウイルス感染後の肺線維症や心筋梗塞、肝硬変、慢性腎不全、難治性がん(膵臓がんなど)等、先進国の全死亡原因の約45%に関与します。しかしながら、これまで線維化に対する決定的な治療薬は存在しません。従って、線維化の進行に重要なタンパク質を新たに同定し、そのタンパク質を狙った薬を開発することが期待されています。

 

九州大学大学院薬学研究院疾患制御学分野の仲矢道雄准教授を中心とする研究グループ(徳島大学先端酵素学研究所の小迫英尊教授、自治医科大学の田中亨教授、兵庫医科大学の大村谷昌樹教授ら)は、この臓器の線維化をVGLL3というタンパク質が促進することを世界で初めて見出しました。 

線維化は、コラーゲンなどを産生する筋線維芽細胞が、その周囲に形成させるコラーゲン線維の「硬さ」から物理的な力を受けることによって加速度的に進行します(図)。研究グループは、この「硬さ」による筋線維芽細胞への物理的な力を介したコラーゲン産生の負のスパイラルをVGLL3が促進することを世界で初めて見出しました。

 

本成果は、VGLL3を標的とした線維化の新たな治療法の開発に繋がることが期待されます。

 本研究成果は、202328日(水)19(ロンドン時間2810)に英国科学雑誌 「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

 

 
図:病気の臓器におけるコラーゲン過剰産生の負のスパイラル

図:病気の臓器におけるコラーゲン過剰産生の負のスパイラル

 

このコラーゲン過剰産生の負のスパイラルをVGLL3が促進することを世界で初めて発見!


掲載誌:Nature Communications

 

論文タイトル:VGLL3 is a mechanosensitive protein that promotes cardiac fibrosis through liquid–liquid phase separation

 

著者名:Yuma Horii #, Shoichi Matsuda #, Chikashi Toyota, Takumi Morinaga, Takeo Nakaya, Soken Tsuchiya, Masaki Ohmuraya, Takanori Hironaka, Ryo Yoshiki, Kotaro Kasai, Yuto Yamauchi, Noburo Takizawa, Akiomi Nagasaka, Akira Tanaka, Hidetaka Kosako, and Michio Nakaya

#: equally contributed.

 

DOI10.1038/s41467-023-36189-6

 

九州大学プレスリリース:

https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/878

 

疾患制御学分野:

http://chudoku.phar.kyushu-u.ac.jp