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亜鉛イオンが⼼筋の収縮⼒を高める機構を解明
―慢性⼼不全の急性増悪に対する新たな強⼼薬開発へ期待―
生理学分野 Nature Communications
2022.11.04

アクセス数:1113

亜鉛イオンが⼼筋の収縮⼒を高める機構を解明

―慢性⼼不全の急性増悪に対する新たな強⼼薬開発へ期待―

 

 

生理学分野

⼼疾患による死亡者数は、⽇本国内で年間約 20 万⼈に上り、これはがんに次ぐ 2 番⽬の死因となっています。⼼疾患のうち、死因として最も多いのが⼼不全です。⼼不全患者の 5 年⽣存率は未だ 50%であり、この 50 年間で 10%程度しか改善されていません。このため、これまでの治療薬とは異なるコンセプトに基づいた薬の開発が必要とされています。 九州⼤学⼤学院薬学研究院の⻄⽥基宏教授(⾃然科学研究機構⽣理学研究所兼任)、⼩⽥紗⽮⾹博⼠(⽣理学研究所)、⻄⼭和宏講師らの研究グループは、⾃然科学研究機構⽣理学研究所(⽣命創成探究センター)、旭川医科⼤学、京都⼤学、⼤阪⼤学、信州⼤学などとの共同研究で、交感神経終末から遊離されるノルアドレナリンによる transient receptor potential canonical TRPC6 チャネルの活性化が、亜鉛イオン(Zn2+)の流⼊を介してβアドレナリン受容体(βAR)の脱感作を抑制することで、交感神経刺激に対する⼼筋の収縮応答を増強させることを動物レベルで明らかにしました。 今回の研究から、TRPC6 チャネル活性化薬は⼼筋の陽性変⼒作⽤を維持させることで、⼼不全の急性増悪を抑制する可能性が⽰されました。TRPC6 チャネルを介する Zn2+流⼊の活性化は、強⼼作⽤をもつ⼼不全治療薬の新たな戦略となることが期待されます。

本研究成果は英国の雑誌「Nature Communications」に、2022 10 26 ⽇(⽔)に掲載されました。


掲載誌:Nature Communications

タイトル:Myocardial TRPC6-mediated Zn2+ influx induces beneficial positive inotropy through β-adrenoceptors.

著者名:Sayaka Oda, Kazuhiro Nishiyama, Yuka Furumoto, Yohei Yamaguchi, Akiyuki Nishimura, Xiaokang Tang, Yuri Kato, Takuro Numaga-Tomita, Toshiyuki Kaneko, Supachoke Mangmool, Takuya Kuroda, Reishin Okubo, Makoto Sanbo, Masumi Hirabayashi, Yoji Sato, Yasuaki Nakagawa, Koichiro Kuwahara, Ryu Nagata, Gentaro Iribe, Yasuo Mori, and Motohiro Nishida.

D O I 10.1038/s41467-022-34194-9

 

九州大学【研究成果】HPhttps://www.kyushu-u.ac.jp/f/50209/22_1104_02.pdf