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研究成果

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研究成果 2022年

研究成果
嵩高いα−アミノ酸類の触媒的ワンポット合成法を開発!
~ペプチド合成へも利用可能な非天然アミノ酸の効率的供給を実現~
環境調和創薬化学分野 Organic Letters (IF 6.072)
2022.09.07

アクセス数:536

  九州大学大学院薬学研究院 環境調和創薬化学分野の大嶋孝志教授、森本浩之講師および近藤優太大学院生らの研究グループは、嵩高い非天然α–アミノ酸類を効率的に供給する新しい合成法の開発に成功しました。

  α–アミノ酸は、様々な医薬品や生物活性物質における重要な構造単位であり、その効率的な合成法の確立は医薬化学における重要な課題の1つです。特に、α位に2つの置換基を持つ嵩高い非天然α–アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸とは異なる特徴を示すことから、ペプチド医薬品などへの応用が近年注目されています。このようなアミノ酸類の効率的な供給法の1つとして、ストレッカー反応と呼ばれる手法が古くから用いられてきました。しかし、ストレッカー反応では嵩高い非天然α–アミノ酸類の収率が低くなる場合があることから、その適用範囲に改善の余地を残していました。

  今回、大嶋教授、森本講師および博士後期課程の近藤優太大学院生らの研究グループは、以前に報告した窒素上に保護基を持たないイミンの触媒的合成法を活用し、嵩高い非天然α–アミノ酸類を合成する手法の開発に成功しました。本手法は、様々なケトンから中間体を単離せずにワンポットで直接嵩高い非天然α–アミノ酸類を高収率で合成可能であり、従来のストレッカー反応では低収率であった生成物も効率よく供給できるようになりました。また、同様のワンポット反応により、アミノ酸のアナログとして利用される、嵩高いα–アミノホスホン酸類も効率的に合成できました。さらに、得られた生成物は脱保護工程を経ることなく直接ペプチドなどへと変換可能でした。本手法の開発により、立体的に混み合った非天然α-アミノ酸誘導体を活用した今後の研究の発展が期待されます。

 
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  本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際化学誌「Organic Letters」に2022年9月2日付けオンライン版で発表されました。

<論文名>
One-Pot Catalytic Synthesis of α-Tetrasubstituted Amino Acid Derivatives via In Situ Generation of N-Unsubstituted Ketimines


<著者>
Yuta Kondo, Yoshinobu Hirazawa, Tetsuya Kadota, Koki Yamada, Kazuhiro Morisaki, Hiroyuki Morimoto*, and Takashi Ohshima*

<発表誌>
Organic Letters, 2022, article ASAP. (DOI: 10.1021/acs.orglett.2c02587)
URL: https://doi.org/10.1021/acs.orglett.2c02587

環境調和創薬化学分野HP
https://green.phar.kyushu-u.ac.jp