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研究成果

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研究成果 2021年

研究成果
世界初の窒素上無保護ケチミンに対する触媒的不斉ストレッカー反応を開発!
~ワンポット反応を活用した光学活性非天然α–アミノ酸類の環境調和合成法を実現~
環境調和創薬化学分野 Organic Letters
2021.05.26

アクセス数:1837

九州大学大学院薬学研究院 環境調和創薬化学分野の大嶋孝志教授、森本浩之講師および門田哲弥大学院生らの研究グループは、窒素上無保護ケチミンに対する世界初の触媒的不斉ストレッカー反応の開発に成功しました。

 

α–アミノ酸は、タンパク質やペプチド、医薬品などにみられる重要な構造単位です。その中でも、α位に二つ置換基を持つ非天然αアミノ酸は、天然のα–アミノ酸よりも高い加水分解耐性や構造安定性などの優れた性質を示すため、その効率的な立体選択的合成法の開発が求められています。

そのような非天然αアミノ酸を効率的に合成可能な手法の1つとして、ケチミンに対する触媒的不斉ストレッカー反応があります。しかし、これまでの反応は、いずれも窒素上に保護基を有するケチミンを用いており、窒素上が無保護の非天然αアミノ酸を得るためには保護・脱保護工程を経る必要があることから、合成効率や環境調和性の面で改善の余地を残していました。

今回、大嶋教授、森本講師および博士後期課程1年の門田哲弥大学院生らの研究グループは、イサチン由来の光学活性な非天然αアミノ酸誘導体を、窒素上の保護基を用いることなく高収率・高立体選択的に直接合成可能な触媒的不斉ストレッカー反応の開発に成功しました。本反応は、保護・脱保護工程を経ることなく生成物を直接変換可能であるため、廃棄物の少ない環境調和性に優れた非天然αアミノ酸類の合成手法です。

また、本手法は合成中間体を単離せずに次の反応に用いる「ワンポット反応」への適用が可能であり、原料から4工程を途中の合成中間体を一切単離することなくワンポットで実施し、直接生物活性物質の非天然αアミノ酸誘導体を不斉合成することも実現しました。今後本手法をさらに発展させることで、持続可能な開発目標(SDGs)に対応した、より環境調和性の高い医薬品・生物活性物質合成法の開発につながることが期待されます。







 本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際化学誌「Organic Letters」に2021524日付けオンライン版で発表されました。

 

<論文名>

Catalytic Enantioselective Strecker Reaction of Isatin-Derived NUnsubstituted Ketimines

 

<著者>

Tetsuya Kadota, Masanao Sawa, Yuta Kondo, Hiroyuki Morimoto,* and Takashi Ohshima*

 

<発表誌>

Organic Letters, ASAP. (DOI: 10.1021/acs.orglett.1c01194)

URL: https://doi.org/10.1021/acs.orglett.1c01194

 

環境調和創薬化学分野HP

https://green.phar.kyushu-u.ac.jp