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研究成果

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研究成果 2018年

研究成果
異種エノラートの触媒的酸化的クロスカップリング反応の開発に成功
環境調和創薬化学分野 Organic Letters
2018.06.12

アクセス数:5478

エノラートの酸化的クロスカップリング反応は、α位の極性変換を伴わず直接的に1,4-ジカルボニル化合物を合成できる有用な反応です。しかし、二種類の異なるエノラートを用いた場合、これらの反応性が類似するため、ホモカップリング体の生成を抑え、クロスカップリング反応を化学選択的に進行させることは依然として困難でした。

今回、九州大学大学院薬学研究院 環境調和創薬化学分野の田中尊書大学院生、矢崎亮助教、大嶋孝志教授らの研究グループは、通常は問題となるホモカップリング反応を積極的に利用することで、高化学選択的に1,4-ジカルボニル化合物を得るエノラートの触媒的酸化的クロスカップリング反応を開発しました。このような、ホモカップリング体を経たエノラートの酸化的クロスカップリング反応の報告例はなく、本反応は1,4-ジカルボニル化合物の新たな合成手法として期待されます。また、得られる化合物は、天然物や医薬品・生理活性物質・有機触媒の構成要素である、,-二置換アミノ酸誘導体であり、本反応は有機合成化学・創薬化学の観点からも有用であると考えられます。

この研究成果は,国際科学誌「Organic Letters」に2018年5月31日付けオンライン版で発表されました。


論文名
Strategy for Catalytic Chemoselective Cross-Enolate Coupling Reaction via a Transient Homocoupling Dimer

Takafumi Tanaka, Tsukushi Tanaka, Taro Tsuji, Ryo Yazaki, Takashi Ohshima

Organic Letters Article ASAP.
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.orglett.8b01313
DOI: 10.1021/acs.orglett.8b01313

環境調和創薬化学分野
http://green.phar.kyushu-u.ac.jp