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研究成果

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研究成果 2016年

研究成果
ゲノムに作用する新しい核酸医薬の可能性を拓く!
配列特異的に3本鎖DNAを形成し転写を阻害する人工核酸を開発
生物有機合成化学分野 Angew. Chem. Int. Ed. 誌
2016.09.01

アクセス数:8743

九大院薬生物有機合成化学分野の院生の岡村秀紀(現:Ludwig-Maximilians-Universität München博士研究員)、谷口陽祐准教授、佐々木茂貴教授は、2本鎖DNAを標的として人工的な遺伝子発現制御(アンチジーン法)が可能な3本鎖DNAを形成できる人工核酸(Aminopyridinyl–Pseudodeoxycytidine Derivatives)の開発に成功し、新規核酸医薬の開発の可能性を示した。


 この人工核酸は天然型の核酸では認識できないCG塩基対を安定かつ選択的に認識が可能で、かつCG塩基対が複数個存在していても認識が可能であるという特徴がある。実際にテロメラーゼの遺伝子標的とした人工核酸搭載アンチジーン核酸を用いることにより、HeLa細胞のテロメラーゼmRNAの発現量が低下させることが可能である事を明らかにした。

今回の人工核酸の開発により、これまで難しいとされほとんど開発がなされていなかった、核酸医薬の一つである「アンチジーン核酸」の開発に大いに貢献できると期待される。

 

 この研究成果は,国際科学誌「Angew. Chem. Int. Ed.」に2016年8月31日付けオンライン版で発表されました。

 

 

論文名

 Hidenori Okamura, Yosuke Taniguchi* and Shigeki Sasaki*

 

Aminopyridinyl–Pseudodeoxycytidine Derivatives Selectively Stabilize Antiparallel Triplex DNA with Multiple CG Inversion Sites

 

Angew. Chem. Int. Ed. Published online: 31 AUG 2016 DOI: 10.1002/anie.201606136

 

 

Angew. Chem. Int. Ed.

http://onlinelibrary.wiley.com/wol1/doi/10.1002/anie.201606136/abstract

 

 

生物有機合成化学分野

http://bioorg.phar.kyushu-u.ac.jp/