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研究成果

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研究成果 2015年

研究成果
(−)-α-カイニン酸のマルチグラムスケールでの合成を実現
環境調和創薬化学分野 Chemistry − A European Journal誌
2015.05.14

アクセス数:7508

九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋教授らは、神経興奮作用を持つ天然化合物である(–)-a-カイニン酸のマルチグラムスケールでの合成を水酸基の直接的アミノ化反応を活用することにより実現しました。

 

大嶋教授らは、先の研究で白金触媒による水酸基の直接的アミノ化反応を報告していましたが、本研究ではこの白金触媒反応の反応条件を改めて最適化することで、入手容易なアリルアルコールとアミンより僅か4ステップにて(–)-a-カイニン酸を全合成することに成功しました。本ルートはこれまでに報告されている(–)-a-カイニン酸の全合成の中で最もステップ数が短いだけでなく(総工程6ステップ)、特殊な試薬・操作・低温条件等を必要とせず、マルチグラムスケールでの合成も容易に行うことができます(総収率34%)。同研究グループでは、さらなる実用性の向上を目指した研究を推進しており、アルツハイマー病などの神経科学分野の研究で必要とされる(–)-a-カイニン酸世界的な需要を満たすことが期待されます



論文名

A short scalable route to (−)-α-Kainic acid using Pt-catalyzed direct allylic amination

Zhang, M.; Watanabe, K.; Tsukamoto, M.; Shibuya, R.; Morimoto, H.; Ohshima, T.

Chem. Eur. J. 2015, 21, 3937.


Chemistry − A European Journal

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201406557/full