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研究成果

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研究成果 2014年

研究成果
神経障害性疼痛の仕組みを解明
~ミクログリアを「痛みモード」にかえる実行役を特定~
薬理学 Nature Commun誌
2014.05.13

アクセス数:8220

 九州大学大学院薬学研究院薬理学分野の井上和秀 主幹教授と津田誠 准教授を中心とする研究グループは、神経のダメージで発症する慢性的な痛み(神経障害性疼痛)の原因タンパク質として「IRF5」を突き止めました。IRF5は、神経の損傷後に脳・脊髄の免疫細胞と呼ばれる「ミクログリア」の中だけで増え、IRF5を作り出せない遺伝子操作マウスでは痛みが弱くなっていました。さらに、研究グループは、2003年にP2X4受容体というタンパク質のミクログリアでの増加が神経障害性疼痛に重要であることを英国科学誌Natureで発表していますが、実は今回見つかったIRF5P2X4受容体を増やす実行役であることも明らかにしました。この研究成果は、慢性疼痛メカニズムの解明へ向けた大きな前進となり、痛みを緩和する治療薬の開発に応用できることが期待されます。


 本研究は、最先端・次世代研究開発支援プログラム、および独立行政法人 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の成果で、英国科学誌 『Nature Communications』 オンライン版に2014513日付け(英国時間)で発表されます。


本論文は,Nature Japanのウェブサイトで「注目の論文」として紹介されました。

http://www.natureasia.com/ja-jp/ncomms/abstracts/54133

 

Takahiro Masuda, Shosuke Iwamoto, Ryohei Yoshinaga, Hidetoshi Tozaki-Saitoh, Akira Nishiyama, Tak W. Mak, Tomohiko Tamura, Makoto Tsuda*, Kazuhide Inoue*   (*Corresponding Authors)

 

Transcription factor IRF5 drives P2X4R+ reactive microglia gating neuropathic pain

Nature Communications

 

九州大学プレスリリース

http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_05_12.pdf


Nature Communications誌

http://www.nature.com/ncomms/2014/140513/ncomms4771/full/ncomms4771.html


薬理学分野

http://yakkou.phar.kyushu-u.ac.jp/