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研究成果

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研究成果 2013年

研究成果
複製後のDNAの接着と分配を制御する新たなタンパク質因子を発見
分子生物薬学 Cell Reports誌
2013.09.04

アクセス数:8045

 複製されたDNAの均等分配は細胞増殖に必須であり、その破綻は発ガン、発生異常、不妊などにも結びつくと思われています。複製後のDNA 分子がもつれないように姉妹細胞へ分配するには、複製直後のDNA分子どおしを接着させ、その後、規則的に折りたたんでゆくという高次構造形成が必要と考えられています。しかしながら、このような構造形成を担う因子はまだわずかしか見出されておらず、その分子機構はほとんど不明です。

 九州大学薬学研究院分子生物薬学分野の片山 勉教授らは、大腸菌で複製直後のDNA鎖を接着させる新規なキー因子CrfCタンパク質を見出し、その基盤となる分子機構を解明しました。CrfCタンパク質は、複製直後のDNA上に「足あと」のように残る「クランプ・タンパク質」と結合します。そして、「かすがい」のような働きによって、複製直後のDNA分子同士をつなぎ留めるのです。変異CrfCタンパク質をもつ細胞では、複製されたDNAどおしの接着と均等分配が阻害されていました。このようにCrfCタンパク質は、DNA複製と共役して、DNAの接着と均等分配に働く重要な因子であることがわかりました。

 本研究成果は、米国生命科学誌Cellのオンライン姉妹誌Cell Reports2013829日に公表されました。

 

論文

Shogo Ozaki,* Yusaku Matsuda,* Kenji Keyamura, Hironori Kawakami, Yasunori Noguchi, Kazutoshi Kasho, Komomo Nagata, Tamami Masuda, Yukari Sakiyama and Tsutomu Katayama (*These authors equally contributed)

A Replicase Clamp-Binding Dynamin-like Protein Promotes Colocalization of Nascent DNA Strands and Equipartitioning of Chromosomes in E. coli  

 

Cell Reportsオープンアクセス)

http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2013.07.040

 

分子生物薬学分野

http://bunsei.phar.kyushu-u.ac.jp