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研究成果

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研究成果 2011年

研究成果
官能基共存性の高い水酸基の直接アミノ化反応を金触媒により実現
環境調和創薬化学分野 Chemical Communication 誌
2011.06.27

アクセス数:3337

九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋教授らは、酸性条件で不安定な様々な官能基も共存できる、水酸基の直接アミノ化反応を3価の金触媒を用いることによって実現しました。

水酸基の直接アミノ化反応は、入手容易なアルコールから対応するアミンを1工程で合成できる反応であり、共生成物が水のみであるため、脱離基を用いる従来法に比べて環境調和性にすぐれている。これまで、電子不足の窒素求核剤を用いる反応には様々なルイス酸やブレンステッド酸が有効な触媒となりうることが報告されていたが、酸性の条件条件のため、酸に不安定な基質は共存することができず、用いることのできる基質に大きな制限があった。

今回大嶋教授らは、3価の金塩を用いることで、Boc基を始めとする様々な官能基も共存できる触媒系を開発することに成功した。また、特に酸性条件に不安定なTHPエーテルなどの場合には、よりマイルドな金錯体を用いることで、THP基などの分解反応を起こすことなく、反応を進行させることに成功した。さらに、一般的にはソフトな金触媒を失活させると考えられていたチオフェンが、触媒反応を加速するという、興味深い添加効果を示すことも見出した。今後、様々な含窒素化合物の環境調和型合成プロセスへと応用されることが期待される。

 

この研究成果は,国際科学誌「Chemical Communication」に2011621日付けオンライン版で発表されました。


論文名

Direct substitution of the hydroxy group with highly functionalized nitrogen nucleophiles catalyzed by Au(III).

T. Ohshima, Y. Nakahara, J. Ipposhi, Y. Miyamoto, K. Mashima

Chem. Commun., in press.


Chemical Communication

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/CC/C1CC12760H


環境調和創薬化学分野

http://molrec.phar.kyushu-u.ac.jp/