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研究成果

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研究成果 2011年

研究成果
高収率・高エナンチオ選択的なケトンの不斉アルキニル化反応をRh-Phebox触媒により実現
環境調和創薬化学分野 Angew. Chem. Int. Ed.
2011.06.14

アクセス数:6567

九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋教授らは、ケトンの不斉アルキニル化反応の新触媒を開発し、光学活性3級プロパルギルアルコールを最高99%eeで合成することに成功しました。不斉アルキニル化反応は、従来等モル量の金属試薬を用いる方法が開発されていましたが、より環境調和性の高い直接的な触媒反応が現在注目されています。しかしながら、ケトンを基質に用いた場合、ケトンの反応性の低さとエナンチオ選択性の制御の困難さが大きな問題となっており、ケトンのアルキニル化にも適応可能な優れた不斉触媒の開発が強く望まれていました。今回大嶋教授らは、Rh-Phebox錯体の多機能性(Rhがπ酸およびルイス酸として機能し、アセテート配位子がブレンステッド塩基として機能)を活用することで、非常に高活性(室温でも反応が進行する)かつ高エナンチオ選択性を実現することができました。また、興味深いことに、より反応性の高いアルデヒド存在下、ケトエステルと選択的にアルキンが反応するという、非常に特異な化学選択性を有することを見出しました(このような特異な化学選択性はこれまで報告されておらず、既存の触媒系では実現できません)。

 

この研究成果は,国際科学誌「Angewandte Chemie International Edition」に2011530日付けオンライン版で発表されました。


論文名

T. Ohshima, T. Kawabata, Y. Takeuchi, T. Kakinuma, T. Iwasaki, T. Yonezawa, H. Murakami, H. Nishiyama, K. Mashima

C1-Symmetric Rh-Phebox-Catalyzed Asymmetric Alkynylation of α-Keto Ester.

Angew. Chem. Int. Ed. accepted.



Angew. Chem. Int. Ed.

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201100252/pdf


環境調和創薬化学分野

http://molrec.phar.kyushu-u.ac.jp/