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教育研究組織

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薬用植物園

設置と変遷

昭和49年4月11日、文部省令第13号(国立学校設置法施行規則改正)により薬学部附属教育研究施設として設置され、専任教官(助手)一名が配置された。昭和53年4月には、専任教官として助教授一名が助手の振替定員として認められた。平成11年4月に薬学部組織の大学院重点化に伴い、本施設も大学院薬学研究科の附属となったが、平成12年に大学院薬学府附属薬用植物園に変更された。

所在地

昭和49年4月11日、文部省令第13号(国立学校設置法施行規則改正)により薬学部附属教育研究施設として設置され、専任教官(助手)一名が配置された。昭和53年4月には、専任教官として助教授一名が助手の振替定員として認められた。平成11年4月に薬学部組織の大学院重点化に伴い、本施設も大学院薬学研究科の附属となったが、平成12年に大学院薬学府附属薬用植物園に変更された。

粕屋地区

福岡県粕屋郡篠栗町大字津波黒字大浦394
九州大学農学部附属演習林(福岡演習林内)

馬出地区

九州大学大学院薬学研究院
福岡県東区馬出3-1-1

敷地面積

約26,800㎡(粕屋地区:昭和43年4月25日付 覚書交換)
約2,200㎡(馬出地区)

粕屋地区薬草園施設
  1. 管理棟(事務所建)154.94㎡(昭和44年3月31日竣工)

  2. 温室(雑屋建)121.50㎡(昭和46年3月27日竣工)

  3. 機械室(雑屋建)12.05㎡(昭和55年3月26日竣工)

  • 温室

    温室

  • 管理棟

    管理棟

  • 実験圃場

    実験圃場

  • 見本園

    見本園

現有植物

約1,000種

現有生薬標本

約300種

管理者
薬学研究院長
薬用植物園長 松永 直哉 教授
生薬学 坂元 政一 准教授
歴代園長
昭和49.10.1~平成2.9.30 西岡 五夫 教授
平成2.10.1~平成4.3.31 古森 徹哉 教授
平成4.4.1~平成16.3.31 正山 征洋 教授
平成16.4.1~平成20.3.31 樋口 隆一 教授
平成20.4.1~令和2.3.31 森元 聡 教授
令和2.4.1~令和5.3.31 平井 剛 教授
令和5.4.1~令和6.3.31 小柳 悟 教授
令和6.4.1~現在 松永 直哉 教授
特徴

粕屋地区の薬用植物園では、2万5千平米を超える広大な敷地に、約1,000種の薬用植物が栽培されており、全国の薬学部附属薬用植物園のなかでも有数の規模を誇る。この敷地には、温帯から熱帯や高山に自生する多種類の薬用植物が植栽されている。このうち、オタネニンジンやオウレンなどの重要な薬用植物については自然に近い状態で観察できるように配慮している。
馬出地区の薬用植物園は、見本園および実験圃場からなり、漢方・生薬認定薬剤師の研修施設として指定されている。併せて、九州では唯一の漢方・生薬認定薬剤師のビデオ研修施設としても利用されており、本施設は高度な機能をもつのが特徴である。

役割

地球上に生育する全植物の10%程度は薬用植物として使用されているという統計が発表されている。また、医療に提供される全処方の30~40%は何らかの形で植物に関連しているといわれている。しかし、近年の環境破壊によりこのような貴重な多くの薬用資源が絶滅の危機に瀕している。このため、薬用植物学の分野においても環境保全による薬用植物の保護の必要性がにわかにクローズアップされるに至っている。
本学薬学府附属薬用植物園では、薬用植物の生育に適した環境の構築に努めている。かかる環境の下で、薬用植物に関する研究技術を発展させ、それに伴って得られた知識を学生や地域社会に還元することが、本施設の重要な役割である。

研究実績

昭和42年附属薬用植物園が稼働すると同時に、大麻に関する研究を開始した。昭和48年には無毒大麻の固定に成功した。本品種は「とちぎしろ」されており、幻覚成分を含まず、繊維としての品質も優れていることから、現在では、繊維を採取するために、栃木県等で広く栽培されている。また、大麻の研究は、薬学研究院薬用資源学分野との共同研究により、現在も継続している。とくに、幻覚成分の生合成研究は、世界的に注目される多数の重要な結果を発表している。
無毒大麻(トチギシロ) 無毒大麻(トチギシロ) さらに、昭和53年から専任教官として助教授が配置されたのに伴い、本格的な薬用植物に関する育種研究を開始した。マイクロプロパゲーションを利用した主要な薬用植物の均質化を目指した研究や細胞培養や組織培養法を駆使した薬用植物の育種研究が中心テーマとなった。この結果、アカヤジオウ(地黄:強壮薬)、ハナトリカブト(附子:強心薬)、オタネニンジン(人参:強壮薬)、トチバニンジン(竹節人参:去痰、強壮薬)デンシチニンジン(田七人参:強壮、止血薬)、ホソバオケラジュツ(朮:建胃、駆風薬)、アミガサユリ(貝母:鎮咳薬)、カラスビシャク(半夏:水分代謝改善)などのマイクロプロパゲーション法の開発に成功した。また、最近では、有効成分含量の高い薬用植物の育成に必要な、高感度で簡便な植物成分の定量法の開発を行っており、重要な薬用成分についてモノクローナル抗体を用いたELISAの確立に成功している。

教育実績

薬用植物の実物を提供することによって、フィールドワークにおいても活躍できる人材の育成を行っている。また、薬用植物育種学や薬用資源制御学を専攻する学生に対して、前述した研究を通じて、高度の技術・知識の教授を行っている。

社会貢献

本施設は一般に公開しており、要望があれば見学会を実施している。併せて、毎年1回、薬草園主催の公開講座を行っており、薬用植物に関する知識を一般人に還元している。また、前述したように「本施設は平成12年より漢方・生薬認定薬剤師研修施設に指定されており、多くの薬剤師が研修を受けている。

問い合わせ先