研究成果

2016-10-07

触媒制御よる化学選択的・位置選択的な水酸基への官能基導入法の開発に成功

九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋教授・矢崎助教らは、無保護アミノアルコールに対する、触媒制御よる化学選択的、かつ位置選択的な水酸基への官能基導入法の開発に成功しました。

 

これまで必須であった保護基を使用することなく、水酸基選択的な生成物を得るため、アミノ基共存下における触媒的な水酸基選択的反応は、近年注目されています。それに対し、我々は、先の研究で、ソフトLewis/ハードBrønsted塩基を触媒として用いることで、廃棄物を生じない、アミノ基共存下における触媒的な水酸基選択的共役付加反応を開発しましたが、様々な官能基を直接的に導入するという問題点が残っていました。

 

今回は新たに不飽和スルホニル化合物を用いることで、直接的に多様な官能基を導入でき、触媒的な無保護アミノアルコールの水酸基修飾法を開発することに成功しました。さらに、無保護アミノジオールに対して、化学選択的かつ位置選択的な特定な水酸基を選択的な修飾方の開発にも成功した。

 

本研究によって、アミノアルコール骨格を持つ医薬品の水酸基へ官能基を選択的に導入できるため、本手法によりの化学修飾した既存薬から、新たな医薬品を開発することが期待されます。

 

この研究成果は、国際科学誌「Organic Letters (IF 6.7)」に2016630日付けオンライン版で発表されました。

 

論文名

Chemo- and Regioselective Direct Functional Group Installation through Catalytic Hydroxy Group Selective Conjugate Addition of Amino Alcohols to α,β-Unsaturated Sulfonyl Compounds

Zhao Li, Ryo Yazaki, Takashi Ohshima

Organic Letters, 2016, 18, 3350–3353.



http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.orglett.6b01464

DOI: 10.1021/acs.orglett.6b01464

環境調和創薬化学分野

http://green.phar.kyushu-u.ac.jp

 

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