SiteMap Close

受賞情報

ホーム > 受賞情報一覧 > 詳細ページ

受賞情報

発表論文が2021年度JB論文賞を受賞
医薬細胞生化学分野 The Journal of Biochemistry誌
2021.10.05

アクセス数:1688

発表論文が2021年度JB論文賞を受賞しました。

GRWD1p53と直接結合しp53の転写活性を抑制する」

The Journal of Biochemistry

 

九州大学大学院薬学研究院医薬細胞生化学分野の杉本のぞみ助教・藤田雅俊教授らの研究グループがThe Journal of Biochemistry誌に発表した論文が、2021年度JB論文賞を受賞しました。研究グループでは、以前、細胞をがん化させる新しい因子GRWD1を世界で初めて発見していました (Kayama et al., EMBO Rep., 2017)。通常の細胞では、p53という細胞増殖のブレーキ役であるタンパク質によって、細胞が異常に増殖することが妨げられています。今回の研究により、GRWD1p53と結合し、その活性を抑制することによっても細胞のがん化を促進させることが明らかとなりました。さらに重要なことに、がん患者のデータベースの解析から、いくつかのがんにおいてはGRWD1が過剰発現していること、GRWD1過剰発現患者群では、数種のp53標的因子の発現が低下していること、そしてGRWD1過剰発現かつp53標的因子の発現が低下している患者群では、それ以外の患者群に比べて予後不良であることを発見しました。今後の研究の発展により、GRWD1発現検査によりがん治療方針のより適切な決定や、GRWD1を標的とする新たな抗がん剤開発につながることが期待されています。

 

論文タイトル

GRWD1 directly interacts with p53 and negatively regulates p53 transcriptional activity

 

著者

Hiroki Fujiyama, Takahiro Tsuji, Kensuke Hironaka, Kazumasa Yoshida, Nozomi Sugimoto and Masatoshi Fujita

 

掲載誌

The Journal of Biochemistry

https://academic.oup.com/jb/pages/jb-award

 

医薬細胞生化学分野

https://tansaku.phar.kyushu-u.ac.jp/saito/top.html