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研究室紹介 | 化学療法分子制御学
 
[連携講座] 化学療法分子制御学 Molecular Recognition Of Chemotherapy
 
教授 Professor 瀧口 総一 [博士(薬学)] Soichi Takiguchi, Ph.D.
教授 Professor 中島 創 [医学博士] Hajime Nakashima, M. D., Ph. D.
 

1999年4月、旧国立病院の中でもっともはやく研究所が併設された施設のひとつ、国立病院九州がんセンターにおいて、当時の臨床研究部化学療法研究室内に学外協力講座が発足した。現在、国立病院機構九州がんセンターには3研究部12研究室から成る臨床研究センターが併設されている。このうち、基礎生物学系の研究室が集まる腫瘍病態研究部が現在、連携講座として大学院生を受け入れている。腫瘍病態研究部は、以下のように、遺伝学、生化学、分子生物学、病理学といった方法論ごとに研究室が構成され、それぞれの方法論を用い、さまざまながんの病態、抗がん剤の薬理作用といったがん臨床につながる課題について、基礎的な研究をおこなっている。とくに近年は、がん臨床の現場で診断・治療を左右するバイオマーカーを基礎的に掘り下げることによって、よりパーソナライズされたがん医療につなげることを目標に研究をすすめている。

九州がんセンターはがん専門病院として、院内では多くの臨床研究をすすめている。上記のような前臨床研究から、新薬の臨床試験まで、幅広く現代のがん研究、がん医療が学べる。とくに基礎科学系の学部教育、修士課程を修了した者にとっては、当講座で学ぶことは、応用科学系キャリアへの橋渡しとなる。本講座の修了者の多くが、製薬企業、臨床検査企業に就職している。

 
腫瘍遺伝学研究室
がんゲノムの動態に着目することで、その特徴から、がんの病態にとどまらず治療への応答をも予測可能なバイオマーカーを開発することを目標としている。具体的には、さまざまな遺伝子座にみられる変化(点突然変異、欠失、メチル化 etc.)をがんゲノムにおいて正確に観察すると同時に、その意義についても、他の研究室と連携して、生化学的、分子生物学的にアプローチしている。発がんのメカニズムについても、その基礎となるゲノム変化について研究をおこなっている。(室長: 織田 信弥)
 
腫瘍分子生物学研究室
DNAメチル化やヒストン修飾によるクロマチン高次構造制御は、遺伝子発現調節やゲノムの安定性と密接に関連している。これまで、クロマチン高次構造制御に関与する因子について、分子生物学的、細胞生物学的、あるいは発生工学的手法を用い、これらとがん化、あるいは老化との関連に着目して、研究を進めてきた。また、がんの転移についても、モデル動物を用いるなどして、転移の分子過程にアプローチしてきた。今後も、バイオマーカーや分子標的治療薬の開発に繋がる研究を目標としている。(室長: 瀧口 総一)
 
腫瘍病理学研究室
発癌の各ステップを構成する分子異常を、pathwayごとに網羅的に整理し、病理形態学的特徴と関連づけ、癌の性格診断につなげ、ひいてはオーダーメイド医療を可能にする診断ガイドラインを作成することを目標としている。その過程で、診断および治療の指標となるバイオマーカーを同定し、新たな診断法を確立したい。また、このような目的から、免疫組織(細胞)化学の技術開発もおこなっている。
 
国立病院機構九州がんセンター臨床研究センター腫瘍病態研究部
http://www.ia-nkcc.jp/information/detail/144
 
Research
The Department of Cancer Biology of the Clinical Research Institute, National Kyushu Cancer Center, comprised of five laboratories with different primary methodologies, i.e. genetics, biochemistry, molecular biology, histopathology and systems biology, has been accepting graduate students from Kyushu University, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, since 1999. Using each methodology, the laboratories have been actively engaged in basic research on cancer biology and pharmacology, particularly molecular biomarkers of cancer cells that are prerequisite for diagnosis and treatment of the disease. Our goal is to establish more reliable biomarkers leading to truly personalised approaches for more effective treatment of cancer patients.
 
代表論文
Wakasa K et al.: Dynamic modulation of thymidylate synthase gene expression and fluorouracil sensitivity in human colorectal cancer cells. PLOS ONE 10(4): e0123076, 2015 doi:10.1371/journal.pone.0123076
Nakao S et al.: Efficient long DNA gap-filling in a mammalian cell-free system: A potential new in vitro DNA replication assay. Biochimie 95: 320-328, 2013
Chijiwa S et al.: Polymerization by DNA polymerase eta is blocked by cis-diamminedichloroplatinum(Ⅱ) 1,3-d(GpTpG) cross-link: implications for cytotoxic effects in nucleotide excision repair-negative tumor cells. Carcinogenesis 31: 388-93 2010
Maruta S et al.: A role for leukemia inhibitory factor in melanoma-induced bone metastasis. Clin Exper Metast 26: 133-141, 2009.
Yaguchi M et al.: Identification and characterization of the variants of metastasis- associated protein 1 generated following alternative splicing. Biochim Biophys Acta 1732: 8-14, 2005.
Ishida S et al.: Sp family of transcription factors regulates human SHIP2 gene expression. Gene 348: 135-141, 2005.
Aramaki Y et al.: Direct interaction between metastasis-associated protein 1 and endophilin 3. FEBS Lett 579: 3731-3736, 2005.
 
分野連絡先
瀧口 総一 (Soichi Takiguchi)
TEL:092-541-3231
FAX:092-551-4585
E-mail: