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イベント・セミナー

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バクテリア細胞の分裂と形態形成の分子機構
講演者:仁木 宏典 教授 所属:情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所

開催日:2011-07-27 16:30

終了日:2011-07-27 17:30

以下の研究セミナーへのご来聴、歓迎致します。

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7月27日(水)
午後4時30分から午後5時30分まで
薬学部 第4講義室(2号館5階奥) 

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
仁木 宏典 教授

バクテリア細胞の分裂と形態形成の分子機構

バクテリア細胞は、その周囲をペプチドグリカンという、糖鎖がペプチド結合で架橋されたで構造体で包まれている。 代表的な桿菌である大腸菌の細胞から、タンパク質や脂質を可溶化した後には、桿菌の形態をしたペプチドグリカン構造体が残る。このようにペプチドグリカン 構造体は、機械的なストレスに大変強く、実質的にバクテリア細胞の形態を決めている。したがって、巨大分子であるペプチドグリカン構造体の倍加や 分裂が、バクテリア細胞の分裂に伴っており、その構造体のサイズが細胞の形態を決めているということになる。大腸菌を中心とした細胞分裂の研究か ら、細胞分裂にはチューブリン様のFtsZタンパク質、一方、形態形成にはアクチン様のタンパク質であるMreBが中心的な働きをしていることが わかっている。これらの細胞膜内側の因子が細胞膜外側のペプチドグリカンの合成を調節している。私達は、細胞形態を制御して細胞の大きさを調節す る因子RodZを見いだした。RodZはMreBに作用して、細胞伸長を制御していることが明らかになっている。さらに、細胞分裂時には細胞分裂 面に集積し、細胞分裂のタイミングを調整をしているらしいこともわかったきた。RodZがMreBやFtsZとともにペプチドグリカン構造体の合 成を調節し、細胞伸長の制御を行っている全体像について紹介する。

参考文献
Genetic mechanism regulating bacterial cell shape and metabolism. Shiomi D, Mori H, Niki H. Commun Integr Biol. 2009 May;2(3):219-20.
Determination of bacterial rod shape by a novel cytoskeletal membrane protein. Shiomi D, Sakai M, Niki H. EMBO J. 2008 Dec 3;27(23):3081-91.



世話人
片山 勉

薬学研究院 分子生物薬学分野