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タイトル 微生物リガンドの同定によって垣間見る,細菌と自然免疫の攻防
講演者 黒川 健児 先生
所属 釜山大学校 薬学部 Bok-Luel Lee研究室
開催日 2012-01-25 16:00
終了日 2012-01-25 17:00
内容

以下の研究セミナーを公開で行います。興味ある方のご参加、歓迎します。

 

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講演タイトル:微生物リガンドの同定によって垣間見る、細菌と自然免疫の攻防

講演者:黒川 健児 先生 (釜山大学校 薬学部 Bok-Luel ee研究室)


日時:2012年1月25日 午後4時から5時頃まで

場所:薬学部 第3講義室(中央棟3階)

 

 自然免疫系は微生物に固有でかつ広く共有された構造体を異物として認識し、生体防御応答を引き起こす。その分子メカニズムの解明によっては、感 染微生物と宿主の攻防の実体を明らかにできるとともに、感染症および炎症の制御に貢献できると期待される。しかしながら、微生物表層の構造物を高 純度で得ることが困難な背景が、微生物リガンドの同定と評価を妨げ混乱させてきた。本セミナーでは、その微生物リガンドの同定と評価に関し、細菌 表層分子の欠損株を使った我々の試みを紹介したい。

 ヒト補体系レクチン経路による黄色ブドウ球菌認識においては、マンノース結合蛋白MBLが細胞壁タイコ酸 (WTA) を認識し補体系を活性化することを見出した。MBLによるWTAの認識は乳児期に重要で、成長に伴い抗WTA抗体価が上昇し獲得免疫系がその役割を担うこ とが分かった(1)。一方、WTAとそのD-アラニン修飾は、昆虫における免疫受容体によるペプチドグリカン認識と免疫活性化からの回避に働くこ とを見出した(2,3)。ハエ体液細胞による細菌貪食においては、Draper受容体がリポタイコ酸を認識する経路を明らかにした(4)。リポタ イコ酸やペプチドグリカンは哺乳類TLR2の微生物リガンドともされてきたが、主要なTLR2リガンドは細菌リポプロテインであることを見出した (5)。さらにグラム陽性細菌リポプロテインがこれまでに知られていなかった新しい脂質修飾構造であることをMS解析により同定するとともに (6,7)、リポプロテインが環境依存に構造を変えることを初めて見出した。リポプロテインの構造多型や構造変化の意義は明らかではないが、微生 物の生息環境適応の結果である可能性を提案したい。

 

(1) Park KH, et al. (2010) Human serum mannose-binding lectin senses wall teichoic acid glycopolymer of Staphylococcus aureus, which is restricted in infancy. J Biol Chem, 285, 27167-27175.

(2) Tabuchi Y, et al. (2010) Inhibitory role for D-alanylation of wall teichoic acid in activation of insect Toll pathway by peptidoglycan of Staphylococcus aureus. J Immunol, 185, 2424-2431.

(3) Kurokawa K, et al. (2011) Biochemical characterization of evasion from peptidoglycan recognition by S. aureus D-alanylated wall teichoic acid in insect innate immunity. Dev Comp Immunol, 35, 835-839.

(4) Hashimoto Y, et al. (2009) Identification of lipoteichoic acid as a ligand for Draper in the phagocytosis of Staphylococcus aureus by Drosophila Hemocytes. J Immunol, 183, 7451-7460.

(5) Kurokawa K, et al. (2009) The triacylated ATP binding cluster transporter substrate-binding lipoprotein of Staphylococcus aureus functions as a native ligand for the toll-like receptor 2. J Biol Chem, 284, 8406-8411.

(6) Asanuma M, et al. (2011) Structural evidences of α-aminoacylated lipoproteins of Staphylococcus aureus. FEBS J, 278, 716-728.

(7) Kurokawa K, et al. Novel bacterial lipoprotein structures conserved in low-GC content Gram-positive bacteria are recognized by Toll-like receptor 2. In revision.

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世話人:片山 勉(薬学研究院 分子生物薬学分野)