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イベント・セミナー

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APC/Cユビキチンライゲースを活性化する分子メカニズム
講演者:藤光和之 先生 所属:英国UCL Cancer Institute

開催日:2013-12-11 16:40

終了日:2013-12-11 17:40

下記の研究セミナーを公開で行ないます。ご来聴歓迎。

 

日時 2013年12月11日 午後4時40分から5時40分まで

場所 百年講堂2階 第1会議室

 

APC/Cユビキチンライゲースを活性化する分子メカニズム

 

藤光和之(講演者)、Hiroyuki Yamano (英国UCL Cancer Institute

 

anaphase-promoting complex/cyclosome(APC/C)M期の進行に必須なユビキチンライゲースであり、基質蛋白質を適時的にユビキチン化し、プロテアソー ムによる分解を促進する。APC/Cの基質やAPC/C活性調節因子の中には、癌細胞内で発現異常がみられているものがあることから、APC/C 活性制御の異常と細胞の癌化の関連が示唆されている。APC/Cは、真核生物間で高度に保存されており、少なくとも11サブユニットで構成される 高分子複合体である。また、APC/Cは、co-activatorであるCdc20/Fzyファミリー蛋白質(Cdc20, Cdh1)が結合し活性化される。そのため、このAPC/Cco-activatorの相互作用制御はAPC/C制御の鍵となると考えられる。M期で機 能するco-activatorであるCdc20はリン酸化されたAPC/Cのみ活性化できる。しかしながら、Cdc20がリン酸化APC/Cを 認識する分子メカニズムは未解明である。そこで、我々はAPC/C-Cdc20間の相互作用様式を試験管内で詳細に解析するため、まず recombinant蛋白質で野生型APC/C(rAPC/C)を再構成した。次にAPC/Cサブユニット内の予想されるCDKリン酸化サイト に変異を導入したrAPC/C変異体を作製した。それらを解析した結果、Apc3内の12サイトに変異導入した変異体では、Cdh1結合活性は維 持されているものの、Cdc20結合活性が低下し、Cdc20に依存した基質の分解速度も低下している事が分かった。以上の結果は、Apc3のリ ン酸化がM期におけるCdc20-loading促進に寄与している事を示唆している。

 

参考文献

Anaphase-promoting complex/cyclosome-mediated proteolysis of Ams2 in the G1 phase ensures the coupling of histone gene expression to DNA replication in fission yeast.

Trickey M, Fujimitsu K, Yamano H.

J Biol Chem. 2013 Jan 11;288(2):928-37.

 

Dephosphorylation of Cdc20 is required for its C-box-dependent activation of the APC/C.

Labit H, Fujimitsu K, Bayin NS, Takaki T, Gannon J, Yamano H.

EMBO J. 2012 Aug 1;31(15):3351-62.

 

 

世話人

片山 勉

九州大学 薬学研究院 分子生物薬学分野 教授

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