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イベント・セミナー

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[セミナー]非一様力学場・非定住遊走による間葉系幹細胞のエクササイズ培養
講演者:木戸秋 悟 教授 所属:九州大学先導物質化学研究所

開催日:2020-01-10 16:00

終了日:2020-01-10 17:00

下記の通りセミナーを開催いたします。ご興味がある先生におかれましてはご参集をお願いします。
木戸秋先生は人間医工学がご専門で、培養方法により産生される培養の性質が変わることを見出されており、独自開発された培養器具の特許取得もされております。

第3回 蛋白質創薬学セミナー

日 時:令和2年1月10日(金)16:00〜17:00
場 所:薬学部第3講堂
演 者:木戸秋 悟教授(九大・先導研)
演 題:非一様力学場・非定住遊走による間葉系幹細胞のエクササイズ培養

要 旨:間葉系幹細胞(MSC)の治療有効性は培養力学場の強度と経験時間の履歴によって影響を受けるため、その製品の品質保証のためには幹細胞性を偏向させない培養力学場設計が重要となる。我々は非一様弾性場上でMSCに非定住運動を行わせることで力学場履歴の蓄積を回避し、特定の分化系統への偏向をブロックする培養系の構築を試みてきた。弾性率30kPaの三角形硬領域を3kPaの軟ベースに六角形超格子としてパターニングする(Pゲル)とMSCの完全非定住運動を実現できる。Pゲル上で培養されたMSCでは運動性・生存性・増殖性に関わる遺伝子群の亢進が見られ、細胞に対するエクササイズ様効果が発現した。MSCの接着牽引力ダイナミクスの解析から、Pゲル上では一様力学場上ではみられない大きな牽引力ゆらぎが誘導されることがわかり、エクササイズ効果の要因と考えられる。このような細胞内部応力ゆらぎのもとでは通常培養では得られない大きな応力変動が細胞核に負荷されるが、P培養で発現活性化した遺伝子群はクロマチンの応力集中部となるクロモソームバンド境界(CBB)に局在する傾向が見られた。非一様力学場・非定住培養によるMSCのエクササイズ効果のメカニズムの考察とともに、培養技術としての応用について紹介する。



連絡先
薬学研究院
蛋白質創薬科学分野
植田 正