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2016-11-25

細胞をがん化させる新しいがん遺伝子GRWD1を発見!

九州大学大学院薬学研究院医薬細胞生化学分野の藤田雅俊教授らの研究グループは、細胞をがん化させる新しいがん遺伝子GRWD1を世界で初めて発見しました。
 
 がん細胞においては、p53と言われる細胞増殖の“ブレーキ”であるタンパク質の異常が頻繁に起こっています。しかし一方で、p53に異常の無いがん患者さんも多く存在しています。今回、研究グループは、GRWD1がRPL11というタンパク質との結合を介してp53タンパク質量を減少させ、細胞のがん化を促進させることを初めて明らかにしました(下左図)。さらに重要なことに、がん患者データベースの解析から、幾つかのがんの種類においては、GRWD1タンパク質量の増加はがんの悪性度を上昇させ、予後不良の予測因子となり得ることを発見しました(下右図)。今後の研究の発展により、GRWD1発現検査によるがん治療方針のより適切な決定や、GRWD1を標的とする新たな抗がん剤開発につながることが期待されます。

論文名
GRWD1 negatively regulates p53 via the RPL11-MDM2 pathway and promotes tumorigenesis
 
著者
Kota Kayama, Shinya Watanabe, Takuya Takafuji, Takahiro Tsuji, Kensuke Hironaka, Masaki Matsumoto, Keiichi I. Nakayama, Masato Enari, Takashi Kohno, Kouya Shiraishi, Tohru Kiyono, Kazumasa Yoshida, Nozomi Sugimoto & Masatoshi Fujita
 
論文オンライン公開HP
http://embor.embopress.org/cgi/doi/10.15252/embr.201642444
 
九州大学プレスリリース
http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/61
 
医薬細胞生化学分野HP
http://tansaku.phar.kyushu-u.ac.jp/saito/top.html
 



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