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研究成果 2019年 | 詳細ページ
 
 
 
タイトル 染色体分配に必要な新規タンパク質因子が細胞両極に局在する機構を発見(F1000Prime推薦論文)
参照元 Frontiers in Microbiology
分野名 分子生物薬学分野
 複製されたDNAの均等分配は細胞増殖に重要なプロセスです。複製後のDNA分子を姉妹細胞へ均等分配するには、まず複製直後のDNA分子どおしを接着させ、その後、DNA分子を規則的に折りたたみ高次構造を形成させるという機構が必要と考えられています。しかしながら、これらの分子機構の多くがまだ謎なままです。
 九州大学薬学研究院分子生物薬学分野の片山 勉教授らは、大腸菌で染色体の均等分配に必須となる新規因子CrfCタンパク質を見出し、この因子が複製直後のDNA分子を接着させる分子機構を解明していました(Ozaki et al., Cell Reports, 2013)。この際、CrfCタンパク質が複製直後のDNA分子に結合することに加え、姉妹DNAの将来の分配先となる細胞両極の領域にも局在していることを発見していました。今回の論文では、染色体DNAの高次構造を形成するタンパク質因子のうち数種がCrfCタンパク質の細胞両極への局在に重要であることを新たに見出しました。さらに、この機構には複製開始因子であるDnaAタンパク質も関わってくることがわかりました。これらの結果は、DNAの接着と均等分配に働くCrfCタンパク質が、細胞内で分子集合や移動を行う動的な分子機構を持っており、その過程で染色体DNAの特異的な高次構造と関わることを新たに示しています。


 本研究成果は、オープンアクセス電子ジャーナルFrontiers in Microbiologyで2019年2月7日に公表されました。さらに同年3月、F1000Prime推薦論文に選ばれました。(F1000 (Faculty of 1000)は国際的な研究者グループを中心とする組織で、独自に着目すべき論文を選んでF1000Prime Recommendationとしています)

【論文
Taniguchi S, Kasho K, Ozaki S and Katayama T (2019) 
"Escherichia coli CrfC Protein, a Nucleoid Partition Factor, Localizes to Nucleoid Poles via the Activities of Specific Nucleoid-Associated Proteins."
Front. Microbiol. 10:72. 
doi: 10.3389/fmicb.2019.00072 (オープンアクセス)

分子生物薬学分野
http://bunsei.phar.kyushu-u.ac.jp

【参考
薬学研究院2013年研究成果
複製後のDNAの接着と分配を制御する新たなタンパク質因子を発見
http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/bbs/view2.php?S_Publ_Year=2013&word=&page=1&B_Code=178

ファイル
発行年 2019
日付 2019-03-26 13:26