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研究成果 2016年 | 詳細ページ
 
 
 
タイトル 触媒的不斉アルキニル化反応の反応機構解析・適応範囲の拡大に成功
参照元 Journal of the American Chemical Society
分野名 環境調和創薬化学分野

九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋教授・森本助教らは、ロジウム触媒によるα-ケトイミノエステルに対する直接的不斉アルキニル化反応の反応機構解析及び本反応の基質適応範囲の拡大に成功しました。

α-ケトイミノエステルに対する触媒的不斉アルキニル化反応は、容易に誘導体化が可能なα位2置換非天然アミノ酸誘導体を与える有用な反応であります。本反応の進行には当量以上の金属試薬を用いることが必要でしたが、当量以上の廃棄物の生成及び官能基共存性の低下が問題となっていました。それに対し、大嶋教授・森本助教らは先の研究で、(diacetato)(phebox)Rh(III)錯体を触媒として用いることで、廃棄物を生じないプロトン移動型の直接的不斉アルキニル化反応が広い官能基共存性で進行することを見出していましたが、基質適応範囲が限られるという問題が残っていました。

大嶋教授・森本助教らは、反応速度解析・分光化学的測定・理論計算などを駆使して徹底的に反応機構解析を行い、(diacetato)(phebox)Rh(III)錯体から系中で生じる(alkynyl)(acetato)(phebox)Rh(III)錯体が本反応の活性種であり、その生成速度が全体の反応性を制御していることを見出しました。そこで、活性種を迅速に形成可能な新規触媒前駆体を新たに設計・開発し、反応に用いることで反応性の向上・触媒量の低減・基質適応範囲の拡大に成功しました。

本研究によって種々のα位2置換非天然アミノ酸誘導体の効率的合成が可能となっただけでなく、本反応機構解析によって得られた知見は一般性の高いものであり同様の触媒反応の開発に新たな指針を与えるものと期待されます。

この研究成果は,国際科学誌「Journal of the American Chemical Society (IF 12.1)」に2016年4月20日付けオンライン版で発表されました。

論文名
Mechanistic Studies and Expansion of the Substrate Scope of Direct Enantioselective Alkynylation of α-Ketiminoesters Catalyzed by Adaptable (Phebox)Rh(III) Complexes
K. Morisaki, M. Sawa, R. Yonesaki, H. Morimoto, K. Mashima, T. Ohshima J. Am. Chem. Soc., in press.

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.6b01590
DOI: 10.1021/jacs.6b01590

環境調和創薬化学分野
http://green.phar.kyushu-u.ac.jp
ファイル
発行年 2016
日付 2016-05-19 12:02