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研究成果 2014年 | 詳細ページ
 
 
 
タイトル 放射線等によるゲノム損傷から細胞を守る蛋白質ATMの新たな機能を解明
参照元 Cell Cycle誌
分野名 医薬細胞生化学分野

九州大学大学院薬学研究院医薬細胞生化学分野の藤田雅俊教授の研究グループは、放射線等によるゲノム損傷から細胞を守る蛋白質ATMの新たなゲノム安定性維持機構を解明しました。

 

我々の細胞の遺伝情報の本体であるゲノムDNAは、自然放射線等の種々の要因により常に損傷を受けています。このDNA損傷からゲノムを守っている重要な蛋白質の一つがATMです。ATMが欠損すると、ゲノム損傷による細胞のダメージやがん化が促進されます。ATMはゲノム損傷とりわけDNA二本鎖切断時にその部位を認識し、その後の細胞応答を開始させることが知られていました。今回の報告は、ATMがゲノム安定性を維持するための新たな分子機構を明らかにしました。すなわち、ATMは細胞周期S期でのCdt1蛋白質の効率のよい分解に関与していることが明らかとなりました。Cdt1DNA複製開始に必須の蛋白質ですが、これは細胞周期G1期には機能しS期には分解されることがゲノム安定性維持の為に重要であることを、同研究グループは明らかにして来ました。よってATMの機能が低下すると、Cdt1の適切な分解が阻害されゲノムの安定性が損なわれることが明らかになりました。この成果は、ゲノム損傷による発がんメカニズムを解明する上で重要な発見であると考えられます。

 

この研究成果は、国際科学誌「Cell Cycle」に201421日付けで発表されると共に、重要な注目論文として同誌“News & Viewsにピックアップされました。

 

論文

ATM regulates Cdt1 stability during the unperturbed S phase to prevent re-replication

Iwahori S, Kohmon D, Kobayashi J, Tani Y, Yugawa T, Komatsu K, Kiyono T, Sugimoto N, Fujita M

 

Cell Cycle

https://www.landesbioscience.com/journals/cc/article/27274/(論文)

https://www.landesbioscience.com/journals/cc/article/28216/News & Views


医薬細胞生化学分野
http://tansaku.phar.kyushu-u.ac.jp/saito/top.html

ファイル
発行年 2014
日付 2014-02-17 19:41